ボルドーワインがもっと楽しめる!ボルドーワインの選び方と基礎知識

ボルドー

ボルドーワインの選び方と基礎知識

フランスのボルドー地方で生産されているボルドーワインは、「ワインの女王」と称されることも多く、世界で最も有名なワインと言っても過言ではないでしょう。

ボルドーのワインは、ボトルの形状から見分けることができます。いかり肩のボトルに入っているのがボルドーワインです。

ジュン
今回は、これを知ればボルドーワインがもっと楽しめるようになる、ボルドーワインの選び方や基礎知識をお伝えしていきます。

「ボルドー」とは

ボルドー地方は、フランス南西部の大西洋に面した港町です。ボルドー(Bordeaux)とは、「水のほとり」という意味を持つ古語に由来しています。

ボルドー地方では、ブドウ畑を所有して栽培からワインの醸造、熟成、瓶詰までの工程を一貫して行う生産者のことを、シャトーと呼びます。ひとつの畑をひとつのシャトーが所有しているのが大きな特徴です。

また、ボルドーと言えば濃い色の赤ワインをイメージされる人が多いと思いますが、白ワインも生産されています。

よく使われるブドウ

ボルドーワインは、複数のブドウ品種をブレンドするのが基本的な造り方です。それぞれのブドウ品種の長所をうまく引き出して調整しながら、理想的な味わいのワインに仕上げていく方法で、「アッサンブラージュ」と呼ばれます。

ジュン
ここからは、ボルドーの赤ワインと白ワインによく使われるブドウ品種をご紹介していきます。

赤ワイン

ボルドーの赤ワインに使われる主な品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、マルベック、プティ・ヴェルドです。それぞれの品種について解説します。

●カベルネ・ソーヴィニヨン
ボルドー地方原産のカベルネ・ソーヴィニヨンは、世界で広く栽培されているブドウ品種で、黒ブドウの王様と呼ばれることもあります。ワインに力強い骨格やタンニンを与え、黒系果実の香りと濃厚な果実味、酸味と渋みがしっかりしているのが特徴です。主に左岸のワインに使われています。

●メルロー
ボルドー地方原産のメルローは、涼しい地域でも栽培しやすく、ボルドー地方で栽培面積が最も多いブドウ品種です。きめ細かなタンニン、ジューシーな果実味とふくよかさを与え、まろやかな口当たりに仕上がります。主に右岸のワインに使われています。

●カベルネ・フラン
ボルドー地方原産のカベルネ・フランは、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロの親品種だとされています。しなやかな渋味と酸味を兼ね備えた繊細な味わいが特徴で、ボルドー赤ワインでは、ワインの味わいに複雑さを与える補助品種として欠かせない存在です。

●マルベック
フランス南西部原産のマルベックは、タンニンが豊富でポリフェノール含有量が多い品種です。ボルドー赤ワインにコクや複雑さを加える役割を果たしています。

●プティ・ヴェルド
ボルドー地方原産のプティ・ヴェルドは、濃く深いルビー色で、酸とタンニンが豊富な品種です。ボルドー赤ワインに力強さを加える目的で、補助的に使われています。

白ワイン

ボルドーの白ワインに使われる主な品種は、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデです。それぞれの品種について解説します。

●ソーヴィニヨン・ブラン
ボルドーやロワールが原産のソーヴィニヨン・ブランは、柑橘系やハーブのような爽やかな酸味が特徴で、ボルドー白ワインのメインで使われる品種です。

●セミヨン
ボルドー地方原産のセミヨンは、ボルドー白ワインでは甘口ワインのメイン品種として、辛口ワインには補助的に使われています。糖度が高く、酸味は穏やかで、蜂蜜のようなまろやかで豊かな香りが特徴です。貴腐ワインの原料としても使われます。

●ミュスカデル
ボルドー地方原産のミュスカデルは、酸が少なくムスクや白い花のような香りが特徴です。ボルドー白ワインでは、補助的に使われます。

ボルドー内の各地区の特徴

ボルドー地方は、ジロンド川とドルドーニュ川の右側を「右岸」、ジロンド川とガロンヌ川の左側を「左岸」と呼びます。

右岸の土壌は粘土質で、主にメルローが栽培されています。渋みが少なく、エレガントで女性的な味わいのワインが多く見られます。
左岸の土壌は砂利質で、主にカベルネ・ソーヴィニヨンが栽培されています。しっかりとした渋みのある、重厚で男性的な味わいのワインが多く見られます。

ボルドー地方は約20の地区に分かれていて、中でもメドック地区を筆頭に、グラーヴ地区、サンテミリオン地区、ポムロール地区、ソーテルヌ地区は高級ワインが造られる代表的なエリアとして知られています。ここからは、各地区の特徴を解説します。

●メドック地区
左岸のメドック地区は、まさにボルドーの代名詞的なエリア。格付けシャトーが多数あり、世界最高クラスの高級赤ワインがボルドー地方で最も多く、安定的に生産されています。
サン・テステーフ村、ポイヤック村、サン・ジュリアン村、リストラック村、ムーリ村、マルゴー村が特に有名です。

●グラーヴ地区
左岸のグラーヴ地区は、メドック地区の南に位置していて、高品質な力強い味わいの赤ワインだけでなく、白ワインも有名なエリアです。中でも、「ぺサック・レオニャン」と呼ばれる地域には、特に高品質なワインを生産するシャトーが集中しています。

●サンテミリオン地区
右岸のサンテミリオン地区は、美しい街並みで有名です。滑らかなみずみずしい、渋みと豊満さを併せ持ったワインに仕上がる傾向があります。優美で女性的な味わいは、ブルゴーニュワインの印象に近いと感じる人もいるでしょう。

●ポムロール地区
右岸のポムロール地区は、サンテミリオン地区の北東に位置している小さなエリアです。収穫量は多くありませんが、 最高レベルの高級ワインが造られています。「シャトー・ペトリュス」「シャトー・ル・パン」の2つのシャトーが特に有名です。

●ソーテルヌ地区
左岸のソーテルヌ地区は、グラーヴ地区より南に位置していて、甘口の白ワインで有名です。朝霧が立ち込めやすい地理的な条件を生かして、素晴らしい品質の貴腐ワイン(濃厚な極甘口ワイン)が造られています。

ボルドーワインの選び方

高品質なワインがたくさんあるボルドーワイン。あまりにも数が多すぎて、どうやって選べば良いのか難しいと感じる人もいると思います。ここからは、ボルドーワインの選び方について解説します。

土地で選ぶ

しっかりとした飲みごたえがある、重厚で男性的なワインが飲みたい時は左岸地区のワインを、ふくよかでまろやかな口当たり、エレガントで女性的なワインが飲みたい時は右岸地区のワインを選ぶと良いでしょう。

格付けで選ぶ

ボルドーワインには、「A.O.C.」とは別に地区の格付け制度があります。格付けシャトーのワインは、ボルドーワイン全体のわずか5%にすぎません。格付けシャトーだから確実に美味しいとは決めつけられませんが、高品質なワインを選ぶ目安となります。

また、格付けシャトーでは、最上級の「フラッグシップワイン」とは別に「サードラベル」や「セカンドラベル」という、少しカジュアルなラインのワインもあります。1万円以下で手に入るものもあるので、ぜひチェックしてみることをおすすめします。

まとめ

ボルドーワインのブドウ品種、産地、選び方についてお伝えしてきました。高級ワイン、渋くて重厚な赤ワインといったイメージを強く持たれがちなボルドーワインですが、それだけではない特徴や魅力があることを知ってもらえたと思います。

世界一有名なボルドーワインを楽しむために、「フランスワイン購入はワイン通販がおすすめ?利用者の声を聞いてみた」の記事も参考にしてください。