フランスワインの歴史を知ろう
今や世界で1、2を争うワイン王国フランスですが、実はワイン発祥の地はフランスではありません。世界最古のワインは、紀元前6000年頃に東ヨーロッパの南コーカサス地方に位置するジョージアで誕生したとされています。
フランスワインの起源
フランスワインの起源は、世界四大文明のひとつに数えられるメソポタミア文明にあるとされています。
メソポタミア地方の北部に位置するチグリス川上流の地域では、シュメール人が古代文明を築いていました。彼らに伝わる「ギルガメッシュ物語」という文学作品には、人々がワインを飲んでいたことが記されています。
ギリシャからワイン造りの基礎が伝わる
紀元前4000〜5000年頃にメソポタミアやエジプトで既に始まっていたワイン造りの技術が、紀元前1500年頃にはギリシャへも伝わり、盛んに造られるようになりました。
フランスでワイン造りが始まったのは、紀元前600年頃のことです。ギリシャから南フランスのマルセイユ地方に移り住んだガリア人から、ワイン造りの基礎が伝わったとされています。当時、強い勢力を持っていたシーザー率いるローマ軍の侵攻に伴って、ワインをはじめとしたギリシャ・ローマの文化が、ヨーロッパ各地へと広がっていきました。
キリスト教との結びつき
10世紀頃の中世ヨーロッパでは、キリスト教が文化の中心でした。文化を牽引していく役割も担っていた教会や修道院は、ブドウ農園の運営やワインの醸造を行い、ワイン造りを積極的に推進していました。
ワインは「イエス・キリストの血」であり、神聖な飲み物だとされ、ミサなどの儀式においても欠かせないものとなっていきます。
フランスワインに起きた危機
フランスワインには、歴史的な危機が何度もありました。中でも、フランス革命とブドウの害虫被害、世界恐慌による不景気のダメージは大きな困難でした。
フランス革命の影響
1789年に起こったフランス革命によって、修道院や貴族が所有していたブドウ畑は政府に没収された後、国民に売却されました。ブドウ畑は買い手の経済力に合わせて小さな区画に分けられたため、結果として生産者によってワインの品質や味に大きなばらつきが生まれてしまうことになったのです。
フランスでは、1855年のパリ万国博覧会に向けて、ボルドーワインの格付けが必要だと考えるようになります。ナポレオン3世の命令で、ボルドー市の商工会議所がメドック地区のワインの市場での取引価格とシャトーの評判を基準に、第1級から第5級まで格付けを行いました。
原産地統制名称法(AOC法)
19世紀後半には、ヨーロッパ各地でウドンコ病、フィロキセラ被害、ベト病というブドウの木に発生する害虫の被害が相次ぎ、ブドウの収穫量の大幅な減少が長く続きました。
害虫に強いアメリカの苗にフランスのブドウの木を接ぎ木することによって、ブドウの生産量は徐々に回復していきますが、今度は第一次世界大戦後の世界恐慌による大きなダメージが襲いかかります。不景気でワインの需要が落ち込み、供給過多の状態に陥ります。
劣悪なワインや偽物のワインが市場に出回るようになり、フランスワインの評価は低下していきました。
政府はこの危機を乗り越えるべく、1935年に「原産地統制名称法(AOC法)」を打ち出します。産地ごとにワインの原料となるブドウの品種や栽培方法、醸造方法などを厳しく定めたものです。この法律によって、フランスワインの個性や生産スタイルを守り、品質が維持されるようになりました。
まとめ
フランスワインの歴史をダイジェスト的にお伝えしてきました。フランスには、二大銘醸地として有名なボルドーやブルゴーニュをはじめ、魅力的なワインを生み出す地域がたくさんあり、その土地の気候や風土を生かした個性豊かなワインが生産されています。
格付けされた情報はラベルに記載されているので、フランスワインを選ぶ時には、ぜひラベルの情報を確認してみてください。歴史に思いを馳せることで、きっとフランスワインをより深く味わえるでしょう。
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