意外と知られていない銘醸地。ロワールワインの基礎知識・特徴

ロワール

ロワール地方・ロワールワインの特徴

美しい古城が点在する観光地としても人気が高いロワール地方は、フランスの二大銘醸地ボルドー地方とブルゴーニュ地方に次ぐ、フランス第三のワイン産地です。

フランス最大の河川・ロワール河流域の東西に連なる広大なワイン産地で、「中央ニヴェルネ(サントル・ニヴェルネ)」、「トゥーレーヌ」、「アンジュー・ソミュール」「ペイ・ナンテ」の4地区に大別されます。海に近いエリアと内陸部では気候や土壌の特徴が異なり、地区ごとにその土地に適したブドウ品種が栽培されています。

各地区では赤ワイン、ロゼワイン、白ワイン(辛口・甘口)、スパークリングと多彩なワインが造られているのが特徴。もともとは赤ワインの生産がメインでしたが、19世紀に流行したフィロキセラ病の影響で、その後はソーヴィニヨン・ブランが盛んに栽培されるようになりました。今では全体の約5割を白ワインが占めています。

代表的なブドウ品種

ロワール地方では、ブルゴーニュワインのように単一品種でワインを造るのが主流となっていますが、栽培されているブドウ品種の種類は豊富です。

ジュン
ここからは、ロワール地方の赤ワインと白ワインによく使われるブドウ品種をご紹介していきます。

赤ワイン

●カベルネ・フラン
ボルドー地方原産で、しなやかな渋みと繊細さ、まろやかさを持つ味わいです。素朴でおとなしい印象ですが、ベリー系果実や青い野菜を思わせるアロマがロワール産の特徴です。

●グロロー
ロワールの地ブドウ品種で、早飲みタイプの赤ワインやロゼダンジュなど半甘口のロゼワインによく使われています。小さな赤い果実を思わせる、繊細でフルーティーなアロマが魅力です

●ピノ・ノワール
やわらかなタンニンとシルキーな舌触りの、上品な味わいです。テロワールによって様々な表情のワインを見せてくれます。ロワール産の赤ワインは、軽快で透明感のある仕上がりとなるのが特徴です。

●ガメイ
ロワール河流域の北部エリアで栽培されています。豊かな果実味と軽やかなタンニン、爽やかな酸味を楽しめる味わいに仕上がります。

白ワイン

●ソーヴィニヨン・ブラン
ロワール地方では単一品種として用いられます。中でも石灰質の土壌のサンセール地区で育つソーヴィニヨン・ブランは格別だと定評があります。柑橘系やグリーンハーブを思わせる爽やかな清涼感が魅力の人気品種です。

●シュナン・ブラン
ロワール地方原産で、作り手や栽培地域、醸造技術によって違った個性を楽しめるブドウ品種です。辛口では繊細でフルーティーな香り、甘口では蜂蜜や果実のジャムのような香りを感じます。

●ムロン・ド・ブルゴーニュ
ロワール河口のナント地方で主に栽培されている品種で、軽やかでさっぱりとした酸味豊かな味わいの辛口白ワインに仕上がります。AOCに格付けされている「ミュスカデ」が特に有名です。

●シャルドネ
涼しい気候や石灰質の土壌の地域に適していて、西部ロワール河流域で主に栽培されています。「白ワインの女王」とも呼ばれる気品ある複雑な芳香が魅力で、様々なスタイルのワインに仕上がります。

まとめ

ロワールワインは、華やかさや派手さはありませんが、上質でコストパフォーマンスに優れた、魅力的なワインが多いのが特徴です。

ぜひこの機会に、ロワールワインの魅力に触れてみてください。