フランスのシュッド・ウエスト、シュッド・ウエストワインの特徴
「シュッド・ウエスト」とは、フランス語で「南西」を意味しています。シュッド・ウエスト地方は、ボルドー地方とラングドック・ルーション地方の間に位置し、気候は大西洋と地中海の両方からの影響を受けるのが特徴です。
ガロンヌ川の上流エリアからピレネー山脈の北にかけての広範囲で、多彩なブドウ品種から個性豊かなワインがたくさん生み出されています。隠れたワインの名産地として、近年注目度が高まっているエリアです。
美食の地としても有名なシュッド・ウエスト
シュッド・ウエスト地方は、美食の地として知られています。高級食材として有名なトリュフやフォアグラは、このシュッド・ウエスト地方の名産品です。また、鴨のコンフィやカッスレー(豆と肉の煮込み)など、フレンチビストロの定番料理としておなじみのメニューも、シュッド・ウエスト地方で生まれたものがたくさんあります。
シュッド・ウエスト地方には、AOC(原産地呼称統制法)のアペラシオンの数が多いです。また、EUが規定する食品やワインのクオリティの指標となっている格付け表記で、最上位の「AOP」や2番目の「IGP」がヨーロッパの中で最も多く存在しています。
2018年度にはワイン産地大賞も受賞
シュッド・ウエストは、アメリカの有名ワイン評価誌「ワイン・エンスージアスト」の「2018年度ワイン産地大賞」に選ばれました。
「ワイン・エンスージアスト」は、約80万人の購読者を持ち、「ワイン・アドヴォケイト誌」や「ワイン・スペクテーター誌」と並んで大きな影響力のある専門誌です。
選ばれた基準は、ワインの品質の高さだけでなく、伝統的な品種の保護、若い生産者を中心としたイノベーション、働く人々、ツーリズム、環境保護など様々な観点が挙げられています。今、世界が注目する「クールなワイン産地」が、シュッド・ウエスト地方なのです。
代表的なブドウ品種
シュッド・ウエスト地方では、多様性があるブドウ品種が栽培されていて、130の土着品種が認められています。その中から、よく使われる代表的なブドウ品種を、赤ワインと白ワイン別にご紹介していきます。
赤ワイン
●マルベック
カオール地区の主要品種です。色が濃く凝縮感があり、しっかりとした酸を感じます。タンニンは控えめで、渋みはあまり感じません。
●デュラス
トゥールーズの北東に位置するガイヤック地区で古くから造られている品種です。色づきが良く、繊細でありながらもアルコール度は高め。熟成が進むとまろやかになり、スパイシーで長い余韻を感じられます。
●フェル・セルヴァドゥ
マルシアック地区の土着品種で、鉄のような香りが特徴です。しっかりとしたタンニンがあり、ワインに骨格を与えます。
●タナ
マディラン地区の主要品種で、色が濃く濃縮感があります。タンニンがとても豊富なワインに仕上がります。
白ワイン
●ランドレル
ガイヤック地区の固有品種です。フローラルで爽やかな味わいに仕上がります。モーザックとブレンドされることも多いです。
●ユニ・ブラン
ガスコーニュ地区で栽培されている品種で、イタリア語で「トレッビアーノ」と呼ばれることもあります。香りは強くなく、爽やかな酸味のある味わいです。
●コロンバール
ガスコーニュ地区で栽培されている品種で、果実やスパイスの甘い香りの中にフレッシュな酸味があります。柑橘系の香りが余韻に残る、軽く爽やかな味わいに仕上がります。
●プティ・クリュビュ
サンモン地区で栽培されている品種です。ブレンドに使われることが多く、黄色い果実の熟した香りが印象的で、ワインに力強さを与えます。
まとめ
美食の街として知られるシュッド・ウエストには、多くの土着品種のブドウがあり、それぞれの品種の特徴を生かした個性豊かなワインがたくさん造られています。
価格も手頃なものが多いので、地元の名物と合わせていろいろ楽しんでみてください。
ワイン通販がオススメなので、併せてこちらの記事「フランスワイン購入はワイン通販がおすすめ?利用者の声を聞いてみた」も読んでくださいね。